私もおかしいと思っていた。
日付を間違えたり、鍋を火にかけたまま出かけたり。
何でもない、少しそそっかしかっただけかもしれない。
もし、あの頃に戻れるのなら、
私は、ばあちゃんを、物忘れ外来のある病院へ連れて行く。
介護・看護なんか、必要になる前に。
ごはんもきちんと食べて、治療できたかもしれない。
ごめんね。そう思ってきたけど、もうありがとうにしよう。
ああ、今日もばあちゃんがいてくれた。
お見舞いに行くたびに、そう思うことにしよう。
それだけで、いいじゃないか。
ばあちゃんは、今、この時を精一杯生きているんだ。